先日CGMにおけるある関係式を思いついたので、それと絡めて検索流入/シェア流入型のCGM作りで意識すべきポイントについて書いてみたい。

「個人で作る」というタイトルにしたのだけど、一般的に企業と比べてお金と時間がない性質があるため〜という話なので、適宜読み替えてもらいたい。

 

ユーザーがコツコツ続けられるか

初めに、「Consumer Generated Media」なので、ユーザーがコンテンツを生成することになるのだけど、そのモチベーション設計において、個人開発者が初めから目指すべきではない形が存在する。

コンテンツ投稿のモチベーション設計における一つの観点として、継続的に利用してもらうためには本人以外のユーザーがどのくらい必要なのか、という考え方がある。

本人以外のユーザーがたくさん必要な設計というのは、例えばSNSのような他者とのコミュニケーションが主なコンテンツ投稿モチベーションになるもの。逆にライフログツールのようなサービスでは、相対的に周囲のユーザーは重要ではなくなる。

サービスによって両者のバランスは異なるのだけど、個人開発者は前者に偏った設計を避けた方が良い。

なぜなら、サービスが回るための前提としている「常にサイトに多くの人がいる状態」を作り出すことがそもそも難しいから。

これを作り出すにはマーケティングスキルと共にそれなりの資金も必要になる。そのため、企業と比べて資金力の弱い個人は「初めから」これを目指すべきではない。

 

キュレーションコストを最小に

リソースの限られた個人開発者なら、サイトで利益を上げようとするとき、課金や販売と比べて導入が手軽かつ顧客対応や法的配慮も不要という理由から、できれば広告でマネタイズしたいと考えることが多いと思う。

広告モデルでマネタイズするためには、当然PVやUUがかなり重要になるのだけど、ここで、ユーザーにとって面白い仕組みを作ってとにかくたくさん投稿してもらえば良いんでしょ、と考えるのは早計で、次の関係式を理解していなければ、いつまでたってもサービスが成長しない、ということが起こり得る。

(投稿したいコンテンツ) - (検索・シェアされるコンテンツ) = (キュレーションコスト)

コンテンツがPVやUUを稼ぐためには、検索でヒットするかSNSなどでシェアされる必要がある。しかし、ユーザーの投稿した単体のコンテンツがそのままの状態でこうした価値を発揮できるとは限らない。

ユーザーの投稿したコンテンツが単体で検索・シェアされないのであれば、検索・シェアされるようにサービス運営者がコンテンツを加工しなければならない。

これをキュレーションコストと書いたのだけど、リソースの限られた個人がこれを背負うのは難しい。したがって、ユーザーの投稿したいコンテンツと、検索・シェアされるコンテンツとの間の差異ができるだけ小さくなるよう、サービス設計の段階から考慮しておくべきである。

 

堅実にいこう

初心者はSNSに手を出さない方が良い、とよく言われるけど、今挙げた2つはその大きな理由だと思う。一般的なSNSが機能するためには多くのユーザーが必要だし、単体のコンテンツを考えても検索にヒットするようなクオリティを持たせることは難しい。

一方、個人開発者にとっての理想に近い形で成功しているサービスとしては、以下の記事からRettyを例に挙げたい。

ユーザーと一緒にコンテンツをつくるには | ウェブ電通報

この記事には、便利なグルメログツールとしてコアなユーザーを獲得することで、人が集まるようになり、結果的にメディアになったという話が書かれている。

ユーザーの口コミにお店の情報を付加することはキュレーションコストなのだけど、実際のキュレーションコストは次のように分解でき、今回の例は比較的加工のしやすいコンテンツだと考えられるので、ある程度の品質までなら、正味の作業量としてはそこまで大きくならないだろう。

(キュレーションコスト) = (加工のしにくさ) * (正味の作業量)

堅実にいくなら、個人開発者はできるだけこうした地道な努力が実を結びやすいサービスに力を入れていきたい。

 

おわり

以上を一言で言えば、ユーザーが1人や少数でも続けられて、サイトにおける「正のフィードバック」が機能するようになっていれば良い、ということになる。

ところで「キュレーションコスト」については、検索エンジンにおける品質重要視のトレンドや、単価の問題でASPが規約の厳しいAdSense一択になっている現実を考えると、むしろ必要なコストを払った方が安全という考え方もあることは書いておく。