サービスの設計フェーズと改善フェーズの両方で強力なツールになる「バリューフロー図」とその使い方について紹介してみたいと思います。

バリューフロー図を作ることでサービスを成長させるための構造が明らかになり、その結果、巨大なKPIツリーやAARRRモデルのようなフレームワークも用済みになるでしょう。

 

「バリューフロー図」とは

バリューフロー図とは、要素同士を矢印でつなぎ、サービスにおける価値の流れを描いたものです。

以下はやや雑ですが、大喜利(お題に対して面白く回答する)ができるお笑いSNS Laughteriaのバリューフロー図です。

図の内容を完全に理解するためにはそのサービスの知識も必要になりますが、おそらく見れば大体の意味を理解してもらえると思います。

「流入」が増えると「ログインユーザー」が増え、「ログインユーザー」が増えると「お題」や「回答」といった投稿が増え、投稿が増えるとまた流入が増え...といった、様々な要素同士の相互作用を表しています。

このようなバリューフロー図を作成することで、サービスを成長させるための構造が明らかになり、「自分たちが今何をしているのか」「サービスの課題は何なのか」といった認識を持つことが容易になります。

 

「バリューフロー図」の使い方

次にこのバリューフロー図の、サービス設計フェーズと改善フェーズにおける使い方を紹介します。

 

1. 設計フェーズ

サービスの設計フェーズで行うことは、提供しようとしている価値がユーザーに受け入れられるかどうかの検証と、構造上の優位性を見出すことです。

前者にMVP(Minimum Viable Product)を、後者にバリューフロー図を用いるのが良いと考えています。

特にストック型のサービスでは、バリューフローの中に上手く機能する「正のフィードバック」を作り出すことが重要 になります。

正のフィードバックとは、出力となる成果の一部を入力側に戻すことであり(例えば「流入が増えると投稿が増える、投稿が増えるとまた流入が増える」)、これによって効率的にサービスを成長させることができます。

 

2. 改善フェーズ

サービスの改善フェーズで行うことは、提供価値の継続的な見直しと、バリューフローの強化です。

バリューフロー図における矢印は、現実には以下のようにそれぞれで「太さ」が異なっています。

図に赤色で示した流れに着目すると、サービスの状況について例えば以下のようなことが言えます(※実際のLaughteriaの状況とは異なります)。

  • ゲーミフィケーションを体験した多くのユーザーは後日再訪問している
  • ログインユーザーの大部分はスムーズにコンテンツを投稿している
  • コンテンツを投稿したユーザーのごく一部しか、ゲーミフィケーションを体験できていない

こうして見ると、その時点のサービスにおいてボトルネックになっている箇所がわかり、次にすべきことが明確になります。この場合はもちろん、より多くのユーザーにゲーミフィケーションを体験してもらうことです。

なお矢印の太さを調べるためには、測定可能な定量的指標を用いて計測します。ユーザーの7日以内再訪率や、1訪問あたりコンテンツ投稿数など、サービスに合ったものを選択すればOKです。

 

必勝パターン

以上のように、バリューフロー図はサービス自体の構造をよく表しています。

そのため、成功している様々なサービスについてこの「バリューフロー図」を描くことで、共通して現れる「必勝パターン」が見えてくると思っています。

構造を真似さえすれば同じように成功できるかと言ったらそんなことはないですが、その道のりはかなり短縮されるでしょう。